= BBBでGPIOを用いたリレー制御 = この記事は、以前cERLでLaserOscillatorの微小温度制御用ヒーターを作った時のものです。[[br]] まだ、EPICS環境が少し古い状態のまま作成していますが、やっていることは同じなので、作成例として転載します。[[br]] == Laser Oscillator用ヒーター制御 == Laserで使用しているoscillatorは、出力するレーザー周波数を加速器の周波数に同期させるためにpiezoを使って調整しているが、piezoの調整範囲を超えるとリセットがかかり、再度同期するまで周波数が不定になる。burstではさほど問題ではないがCWでは問題になるので、piezoの調整範囲(35~65)を超えそうになった場合には、一旦ビームを止めて手動でリセットしていた。[[br]] 偶に測定中に勝手にリセットがかかり、測定が中断することがあったので、この問題をある程度解決するために、oscillatorの下にヒータを入れて温度制御してやることにした。 == 機器 == ヒーターをPWM制御することで、温度調整を行うようにした。[[br]] 回路としては、ヒーター電源をリレーでON/OFFすることでDUTYを調整する。 === ヒーター === ヒーター本体は、ユニバーサル基板に1w10Ω抵抗を4つ直列に接続したものを6列並列接続したものを作成。 === 電源 === ヒーター用の電源は18V汎用直流電源を使用。 === 制御部 === 制御部は、!BeagleBone Black(以下、BBB)に専用ユニバーサル基盤を載せて、リレー回路を実装したものを作成。[[br]] リレーの回路図は以下のようにした。 [[Image(relay_schematic.png,300)]] このリレー回路のON/OFFは、BBBのP8-11(GPIO45)pinに接続した。[[br]] このピンを使用したのは、起動時に特別は設定を行わなくてもGPIOとしてLOW状態のまま使用可能なため。起動時にHIGHになっているピンもある。[[br]] 詳細は[http://www.si-linux.co.jp/techinfo/index.php?BeagleBoneBlack#led4e8ec このページ]を参照。 == IOC == BBBのOSはDebian7.0で、開発環境はBBBのローカルに構築して今の所はNFSは使用していない。[[br]] BBB用のepics環境は、{{{/opt/epics}}}に構築するように設定している。ファイルは他のBBBで以前構築したものをコピーして使用。[[br]] {{{/cerl/epics/embed/BeagleBoneBlack/debian/epics_bbb_debian.tar.gz}}}にコピーしておく。[[br]] === device support === 今回は、GPIOしか使用しないため、[https://github.com/ffeldbauer/epics-devgpio epics-devgpio]を使用してみた。[[br]] 以下のようにしてインストール。ファイルはgit-hubからダウンロードしたものをコピー。 {{{ root@beaglebone:~# cd /opt/epics/R314.12.4/modules/soft root@beaglebone:/opt/epics/R314.12.4/modules/soft# mkdir devgpio root@beaglebone:/opt/epics/R314.12.4/modules/soft/devgpio# unzip epics-devgpio-master.zip root@beaglebone:/opt/epics/R314.12.4/modules/soft/devgpio# mv epics-devgpio-master 1.0 root@beaglebone:/opt/epics/R314.12.4/modules/soft/devgpio/1.0# emacs -nw configure/RELEASE EPICS_BASE=/opt/epics/R314.12.4/base root@beaglebone:/opt/epics/R314.12.4/modules/soft/devgpio/1.0# make }}} === app === appはrootのホームディレクトリに作成。 {{{ root@beaglebone:~# mkdir -p epics/dio/ root@beaglebone:~# cd epics/dio/ root@beaglebone:~/epics/dio# makeBaseApp.pl -t example dio root@beaglebone:~/epics/dio# makeBaseApp.pl -i -t example dio root@beaglebone:~/epics/dio# emacs -nw configure/RELEASE SNCSEQ=$(EPICS_BASE)/../modules/soft/seq/2.2.4 DEVGPIO=$(EPICS_BASE)/../modules/soft/devgpio/1.0 EPICS_BASE=/opt/epics/R314.12.4/base }}} 始めはGPIOをON/OFFするためのレコードを[https://github.com/ffeldbauer/epics-devgpio/blob/master/documentation/devgpio.pdf マニュアル]を参照して作成。 {{{ record(bo, "$(user):bbb:GPIO:45:OUT") { field(DESC, "BBB GPIO_45(P8_11) OUT") field(DTYP, "devgpio") field(OUT, "@P8_11 H") field(ZNAM, "L") field(ONAM, "H") } }}} コンパイル時には、{{{dioApp/src/Makefile}}}にdevgpioの設定を追加。 {{{ dio_DBD += devgpio.dbd dio_LIBS += devgpio }}} ブレッドボード上にLEDをつけて、起動時にOFF状態でレコードからON/OFFできることは確認した。[[br]] リレーのON/OFF時間をPWM制御する部分はsequencerで作成。10秒を1サイクルとしてON/OFFするようにした。[[br]] === PI制御 === 始めは手動でdutyを変えていたが、キチンと制御するために、以前iBNCTで作成した冷却水温度のPI制御シーケンスを使用することにした。[[br]] sequencerは、duty制御用とは別に作成し、piezoの値変化から、dutyを制御するように作成した。[[br]] 以下のようになって、一応制御できているようだ。 [[Image(oscilator_ctrl.png, 300)]] 但し、現状では0%や100%になった場合には、手の出しようがないのでそのまま任せておくしかない。[[br]] これを解決するには、電源電圧を上げるか、抵抗を増やして発熱量を上げるか、外部からの温度変化が少なくなるように工夫するしかない。