422 | | == 実運用に向けた準備 == |
423 | | |
424 | | 実運用する場合には、複数のセンサー基板を取り付けるが、BBBでは通常の状態ではUSBが1つしかないので、今回はUSBが4つあるRaspberryPi2を使う。[[br]] |
425 | | 今回の目的には、BBBでもRaspberryPiでもほとんど同じ設定で大丈夫だった。[[br]] |
426 | | OSインストール等の環境設定は、[wiki:epics/raspberrypi RaspberryPi に EPICS をインストール]を参照して行った。[[br]] |
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428 | | RaspberryPi2を裸で置くわけにはいかないので、3Dプリンタでケースを作ってみた。ケースのデータは[https://www.thingiverse.com/thing:410003/#files ここ]にあるものを使わせてもらった。[[br]] |
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431 | | [[Image(IMG_6308.JPG,400)]][[Image(IMG_6309.JPG,400)]] |
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433 | | 上の所が白くなっているのは、テプラを張る面を作ろうとして紙やすりで削ったため。結局、平滑にならずに積層が出てくるだけだったので、テプラを張る際には厚みのある両面テープか接着剤等で編面を作る必要がある。[[br]] |
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435 | | 今回はセンサー基板のケースは作らずに、カプトンテープを巻いて簡易的に絶縁するだけにした。 |
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438 | | [[Image(IMG_6316.JPG,400)]] |
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441 | | == 動作検証 == |
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443 | | 今回作成した全センサー基板の相関や、実動作試験を行った。[[br]] |
444 | | 10台のセンサ基板を接続するために、4Port USBハブを2台接続して対応した。[[br]] |
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446 | | [[Image(IMG_6315.JPG,400)]] |
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449 | | リファレンスはGraphtec GL840にK型熱電対を接続したものを使用。[[br]] |
450 | | 当初は、Ch1で室温を測定していたが、最終的にはCh1は温度センサー基板のセンサー部の温度を、Ch2は周辺の温度を測定するようにした。[[br]] |
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452 | | [[Image(IMG_6318.JPG,400)]] |
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454 | | [[Image(002_add_GL840_CH2.png,400)]] |
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456 | | 青線(Graphtec:GL840:GL820:PORT_01)が中心付近で温度が上がっているのは、この時点で熱電対を温度センサーに接触させるように変更したため。 |
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458 | | 熱電対の温度データは、[wiki:epics/graphtec/GL820_ioc GRAPHTEC GL820(GL840)用EPICS IOC]を使用することでEPICS化した。[[br]] |
459 | | 温度センサー基板のIOCはRaspberryPi2上で動かし、データの保存はcERLサーバー上のPortableArchiverを使用した。[[br]] |
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462 | | === 測定 === |
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464 | | 定常状態での温度センサー自体のバラツキは、0.5℃程度に収まっている。[[br]] |
465 | | しかし、温度センサーで測定した温度は、熱電対よりも1.5~2℃ほど高くなっている。[[br]] |
466 | | この温度差がどこにあるのか検証するために、センサー部とCPU部を分離して調べてみることにした。[[br]] |
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468 | | 基板自体は、設計の段階から分離できるようにしてあるので、ジャンパー線を外して約9㎝のビニル被覆線で接続し直したもので測定してみた。[[br]] |
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470 | | [[Image(IMG_0226.JPG,400)]] |
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472 | | [[Image(004_separate_sensor_after.png,400)]] |
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474 | | その結果、熱電対とほぼ同じ温度が測定できるようになった。[[br]] |
475 | | このことから、温度差の原因はCPU側の発熱によるものであることがわかる。[[br]] |
476 | | |
477 | | 次に、どの程度離せば影響を抑えられるかを実験してみた。[[br]] |
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479 | | [[Image(IMG_0222.JPG,400)]] |
480 | | [[Image(IMG_0223.JPG,400)]] |
481 | | [[Image(IMG_0224.JPG,400)]] |
482 | | [[Image(IMG_0225.JPG,400)]] |
483 | | [[Image(IMG_0226.JPG,400)]] |
484 | | |
485 | | センサーとCPUを分離した基板を接続する電線の長さを変えたものを用意した。[[br]] |
486 | | 1番目と2番目は線材による違いを確認するために、1cm程度のスズメッキ線とビニル被覆線を用意した。[[br]] |
487 | | 3番目は線材の長さが約3cm、4番目が6cm、5番目が9cmとした。[[br]] |
488 | | |
489 | | * 1番目 (TEST:USBTEMP:DEV8:temp) |
490 | | * 2番目 (TEST:USBTEMP:DEV7:temp) |
491 | | * 3番目 (TEST:USBTEMP:DEV6:temp) |
492 | | * 4番目 (TEST:USBTEMP:DEV5:temp) |
493 | | * 5番目 (TEST:USBTEMP:DEV10:temp) |
494 | | |
495 | | 結果のグラフが次のようなものになった。[[br]] |
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497 | | [[Image(005_separate_sensor_any.png,400)]] |
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500 | | 1,2番目は切り離していないものに比べて、0.5℃程度下がってはいる。しかし、線材の違いによる変化はあまり見られない。[[br]] |
501 | | 3,4,5番目は他のものと比べて1.5℃程度温度が下がっており、室温測定の熱電対の値に近くなっている。[[br]] |
502 | | また、長さの違いでも温度差があることがわかる。[[br]] |
503 | | |
504 | | この結果から、このセンサー基板の場合、センサー部を10cm程度延長すれば、熱電対とほぼ同等の室温値が測定ができることが分かった。 |